CL3連覇の主役たちは劣化していた!レアル敗退には歴史的意義がある (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 運がなかったことも事実だ。開始早々、右ウイングで起用されたルーカス・バスケスが、中央で構えるラファエル・ヴァランに絶好球を送るも、シュートがクロスバーを直撃したシーンがあった。これが決まっていれば、悲劇は訪れなかったかもしれない。

 それに輪を掛けたのが、前半29分と35分にたて続けに発生したバスケスとヴィニシウス・ジュニオールの故障退場劇だ。これを受けて、ピッチに登場したのはガレス・ベイルとマルコ・アセンシオ。しかし前者が機能しそうもないことは、クラシコのプレーぶりから明白だった。

 レアル・マドリードの昨季までの3FW、カリム・ベンゼマ、ベイル、クリスティアーノ・ロナウドは、当時バルサの3FWを形成したリオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール(MSN)に対抗してBBCと命名されていた。

 バルサはその中から昨季、ネイマールを失う。だが、その後釜として獲得したコウチーニョは、左ウイングと呼ぶには中盤的で、気がつけば前線は3FWからメッシ、スアレスの2トップに変わっていた。4-4-2的になり、クライフらしさ、アヤックスらしさを感じない特別感のない俗っぽいサッカーに変貌した。サッカー界において光り輝く存在ではなくなっていた。

 ただ、先のクラシコなど、最近の試合では、左ウイングにフランス代表のウスマン・デンベレがスタメン出場する機会が増え、さらにブラジル代表にも選ばれたアルトゥールが復帰したことで、バルサらしさは少しばかり回復。状態は上向きになっているように見える。クラシコ2連勝には必然性があった。

 一方のレアル・マドリードも、バルサと同種の問題を抱えていた。

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