香川真司放出のドルトムントが
CL敗退。なぜ勢いをなくしたのか

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 もうひとつ誤算だったのは、チーム内得点王のパコ・アルカサルだ。アルカサルはリーグ戦では現在13得点をあげているが、実に途中出場で11得点。不思議なことに先発した場合は2得点にすぎない。CLではここまで途中出場で1得点、先発で1得点の合計2得点。この日のトッテナム戦にも先発したが、無得点に終わった。チームの攻撃を牽引しているようで、計算ができない選手でもあるのだ。

 香川真司をレンタルでベシクタシュに出してしまったことと、ドルトムントが勝てなくなったことは、好調だった前半戦の香川の出場試合数の少なさから考えれば、ほとんど関係がないと言っていいだろう。ただ、香川のような、少し時間をかけ、相手の様子を見ながら攻撃を作っていける選手がひとりいれば、何か状況が変わるかもしれない。そう思わせる不安定さが今のドルトムントにはある。

 これでドルトムントはシーズン3冠のうちのふたつを失った。残るはブンデスリーガのタイトルのみ。若いチームを立て直すことはできるだろうか。

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