欧州CL通3人がユベントスの不安材料を解析!「4バック固定は危険」 (5ページ目)

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中山 アトレティコは直前のマドリー・ダービーで今シーズンからチャレンジしている攻撃的な戦い方をトライして完敗を喫したことが逆に奏功し、このユベントス戦では割り切って原点回帰することができたように思います。やはりシメオネのアトレティコは堅守速攻で強くなったチームですし、この試合ではコーナーキックから2ゴールを決めるなどシメオネのチームらしい勝ち方ができたことは、今後の自信にもつながるでしょうね。

倉敷 ああいう戦い方ができる時はやっぱり強いですね。ユベントスと戦えるチームは、キエッリーニに対抗できるセンターバックを持っているチームだけだと思っていて、その点でディエゴ・ゴディンは申し分ありません。

 ただ、第2戦に向けて心配なのは、アトレティコのジエゴ・コスタとトーマス・パーテイが累積警告で出場停止であることです。

中山 おそらくジエゴ・コスタの代わりはモラタ、トーマスのポジションにはサウールが入って、サイドをトム・レマルで対応するという方法が考えられます。いずれにしても、ホームとはいえユベントスがアトレティコから最低2ゴールを奪わなければ負けてしまうことを考えると、かなりハードルが高そうに見えます。しかも頼みのロナウドも、今シーズンは珍しくチャンピオンズリーグで1ゴールしか決めていないという点も不安材料です。

倉敷 移籍した今季、ロナウドはまずセリエで結果を出すことが重要でした。得点が少なかったのは予選突破が確実に計算できるチャンピオンズよりも国内リーグでのアピールを優先したからという気がします。彼は例年どおり、欧州タイトルのかかるシーズン後半に向け、下半身を猛烈に鍛え上げ、決定力をあげているはずですが、アトレティコ相手に第一戦の負け方は逆転が難しい。それでも個人の決定力でなんとかできるでしょうか?

中山 しかも今シーズンはワールドカップの後のシーズンという難しさもあって、それに加えて長年プレーしたクラブを離れて新天地に移ったことによって、さすがのロナウドも想定外のことが多かったのではないでしょうか。

 それと、ユベントスは選手層という部分で言うと、国内で連覇を続ける絶対王者のわりに、ベンチの駒に寂しさを感じます。この冬のマーケットでも、マルティン・カセレスを呼び戻しただけでした。

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