欧州CL通3人がユベントスの不安材料を解析!「4バック固定は危険」

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倉敷 さらに言えば今季はロナウドが高いアウトサイドの位置を主戦場にするために、マンジュキッチがコーナー付近に開いたプレーの脅威が減った印象を受けます。

中山 とくに逆サイドからクロスに対して、サイドからゴール前に入ってヘッドで決めるというプレーは、マンジュキッチの得意技ですからね。

倉敷 ロナウドが加入したメリットの大きさは言わずもがなですが、一方でユベントスが失った攻撃のオプションもありそうです。ディバラを使った別のオプションなどが欲しいですね。

小澤 ロナウド級の選手になると、監督が妥協しなければいけない部分も出てきます。ロナウドに守らせるより、ロナウドがプレーしやすいように全体をうまくオーガナイズしなければならないというタスクが、今シーズンのアッレグリにのしかかっているのだと思います。特に守備面で今のロナウドに多くの注文はできませんので、そこは戦術的な変化がなくなってきた原因と見ていいでしょう。

倉敷 マドリー時代は、すべての選手がロナウドを見ていました。すべての攻撃のベクトルが彼に向き、フィニッシャーとして世界最高のアタッカーをどう活かしていくかが、ハイレベルで完成されていました。ラストパサーの象徴がカリム・ベンゼマであり、ギャレス・ベイルだったと思います。

 しかし、この試合のユベントスにはピアニッチしかクリエイティブな選手が見当たらず、ロナウドを活かすアイデアに乏しい状態でした。ジョアン・カンセロがスタメンに入っていたら、多少期待できたかもしれませんが、最近大きなミスもありアッレグリ監督の信頼度が低下していたのかもしれません。

中山 最近の傾向からすると、アッレグリの信頼を勝ち取っているのはマッティア・デ・シリオのほうですよね。彼は左右両方のサイドバックができるので、デ・シリオ、アレックス・サンドロ、カンセロといったサイドバックの駒のなかでは現在アッレグリのファーストチョイスになっています。

 ただ、たしかに彼はミラン時代より成長していると思いますが、及第点のパフォーマンスしか望めないような印象を受けます。ときに稚拙な守備を見せることもありますしね。それもあってか、この試合ではアトレティコの2トップ、ジエゴ・コスタとアントワーヌ・グリーズマンが途中から左右入れ替わって、前線に張るジエゴ・コスタがデ・シリオとマッチアップしようとする動きが目立っていました。

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