欧州CLマニアック鼎談。達人たちが注目したのは物議をかもしたVAR

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倉敷 マルセロはクラブのエンブレムを感じさせる選手ですね。象徴と言える選手が他にはセルヒオ・ラモスしかいないのは、マドリーにとっては数年の間で解決すべき課題です。頼れるセルヒオ・ラモスにしても、すでにキャリアの終盤が近いと感じられますし、この試合では終盤にイエローカードをもらってしまい、次戦は出場停止処分。しかも試合後、準々決勝の前に累積警告を消化するためにわざとカードをもらったという主旨の発言をメディアにしてしまい、UEFAから2試合の出場停止処分を言い渡されるオチがつきました。

 酸いも甘いも嚙み分けたセルヒオ・ラモスほどの選手が、なぜそのような軽率な発言をしてしまったのか不思議でなりません(笑)。

小澤 そこも含めて、個人的にはアヤックスにもまだ勝ち抜けの可能性は十分にあると思っています。第1戦は1-2でマドリーが勝利したので、勝ち抜けはほぼ確定みたいな見方が主流ですけど、そんなに楽観できないのではないでしょうか。とくに最近のマドリーの調子を見る限り、バルセロナとのクラシコを2度戦ってから迎えるアヤックス戦は、かなり消耗した状態で迎えるでしょうから、アヤックスは前半から飛ばしていけば勝機が見えてくると思います。

中山 マドリーはこの一週間で、2月27日にコパ・デル・レイのクラシコ、その週末の3月2日にラ・リーガのクラシコを戦って、その3日後の3月5日にアヤックスとの第2戦を迎えます。これは相当にタフなスケジュールですよね。しかもコパ・デル・レイのクラシコではベストメンバーで臨みながら0-3で敗退。アヤックスがつけ入る隙はあります。

 それも含めて、第2戦でのソラーリ監督の采配は注目に値しますね。これまではヴィニシウス、レギロン、ダニ・セバージョスなど若手を積極的に起用することで好循環を生み出しましたが、このハードスケジュールを乗り切るうえでは、イスコやアセンシオ、あるいはベイルといった質も高く経験もあるタレントを使いこなせていないことが、ネガティブな要素になってきます。

倉敷 クラシコ2連戦のあとのチャンピオンズ。マドリーはセカンドレグもまた日程に恵まれませんでしたね。あまりにタフなこの日程を4連覇に向けてどう乗り越えていくのか注目です。一方で、もし敗退するなら若いチームが相手ではないか?いう気もします。第2戦でもVARは活躍するでしょうか? いずれにしてもそこには感動があって欲しいと願っています。

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