武藤嘉紀が3連続ベンチ外でピンチ。3つの理由でポジションがない (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 これまで、どこかのっぺりとした攻撃しか繰り出せなかったニューカッスルだが、アルミロンの加入で「攻撃のスイッチ」が入るようになり、迫力と勢いが格段に増すようになった。

 加えて、守備意識も高く、プレス&カバーのタスクも黙々とこなしている。そのせいだろう、デビューから3試合をこなしただけで、サポーターの心をがっちり掴んだ。ホームで行なわれた前節ハダースフィールド・タウン戦と今節バーンリー戦の2試合で、アルミロンの交代時に盛大なスタンディングオベーションが起きた。ロンドン同様に不可欠な存在になりつつある、といっても過言ではないだろう。

 このアルミロンの加入が、武藤にとって決定打となった。パラグアイ代表MFの補強で前線の駒数がひとつ増え、武藤は18人で構成される「メンバー枠」から押し出されたからだ。

 当然だが、ベンチ入りできなければ、試合には出場できない。ベンチに入ることができれば、試合中にシステムが変わり、途中交代で投入されることもあっただろう。しかし現状、18人の選手枠に入ることすらできない。上記した3つの理由から、武藤の苦境は、もうしばらく続くのではないか。

 2月23日に行なわれたハダースフィールド戦後、ベニテス監督は武藤について次のように語った。

「練習でよくやっているし、私は非常に満足している。だが、18人の登録枠を考えると、我々にはサロモン(・ロンドン)がいる。武藤は、セカンドストライカーとしてプレーする試合で必要だった(=実際には1トップでプレーした)。彼に必要なのは、チームに入るために今後もハードワークをこなしていくこと。チャンスを待つ必要がある」

 チームは2連勝を飾り、順位を13位まで押し上げた。好調を維持しているため、先発メンバーの大幅な入れ替えは当面なさそうだが、ベンチメンバーについてはローテーション制が組み込まれる可能性はある。そのなかで、いかに自分をアピールしていくか──。

 まず武藤は、そこで手がかりを見つけたい。

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