降格圏のサウサンプトン。
吉田麻也は「残留争いを生き抜く」と宣言

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 2月24日に行なわれたアーセナル対サウサンプトン戦で、DF吉田麻也に出番は訪れなかった。

 日本代表として参加したアジアカップからチームに復帰したものの、吉田は前節カーディフ戦に続き、2試合連続となるベンチスタートを命じられた。

吉田麻也はアーセナル戦でも先発メンバーに選ばれなかった吉田麻也はアーセナル戦でも先発メンバーに選ばれなかった 試合は、サウサンプトンが前半17分までに2点のリードを許した。すると、ラルフ・ハッセンヒュッテル監督は、ハーフタイムに3-5-2から4-3-3にシステムを変更。ふたりを交代して試合の流れを引き寄せようとしたが、それでもアーセナルの優勢は変わらなかった。

 結局、0-2のままタイムアップ。吉田はベンチで試合終了のホイッスルを聞いた。

 試合後、日本代表DFは試合を次のように振り返った。

「早い時間帯の失点で、全部プランが崩れてしまったかなと。(前節から今節まで)2週間空いていたので、スペインで合宿もした。今日の試合に向けて準備してきたのに、最初の15~20分で全部崩れてしまった」

 アーセナル戦で痛かったのは、サウサンプトンのプレスがいっこうにハマらなかったこと。前線からの積極的なプレスがハッセンヒュッテル体制の代名詞となっているが、敵を追いかけてもアーセナルにかわされ、前半から劣勢にまわった。

 昨年12月に行なわれた前回の対戦時には、このプレスが見事にハマった。前線から積極的にボールを奪いにいく策が功を奏し、アーセナルに3-2で競り勝ったのだ。

 前回の試合では、アーセナルが採用した3-5-2に対し、サウサンプトンも3-5-2だった。噛み合わせの点でもきっちりハマっていたが、今回アーセナルは4-2-3-1を用いた。結果的にサイドをうまく使われ、アーセナルに主導権を握られてしまった。

 吉田も、プレスを空転させられたことが敗因になったと話す。

「アーセナルがプレスをかいくぐる打開策を用意してきた、という感じですね。前の試合ではプレスを前からガンガンいってハメた。たぶん、アーセナルはその準備をしてきた。どこでプレスにいっても、ハマらない状況を作られてしまったので」

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