乾貴士がリーガ100試合出場。偉業達成も「試合前のほうがうれしかった」 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 しかもこの試合は、今季2人目の監督ミゲル・カルドソのクビがかかっており、アラベス以上に負けることのできない戦いだった。

 3バックで守備を固めてきたセルタにアラベスは手を焼き、とくに前半は思うようなサッカーができなかった。それは監督アベラルドも認めており、難しい相手から勝ち点をひとつでも積み重ねられたことに、満足感を示していた。

 次節の相手はビジャレアル。セルタと同じようにリーグ戦では下位に沈んではいるが、現在ヨーロッパリーグで勝ち残っている実力のあるチームだ。アラベスはアウェーでは守備的な戦いを基本コンセプトとしているため、乾にとって難しい試合になることに変わりはない。

 だが乾にとって、ビジャレアルは100試合の中でも好プレーを見せてきたチームのひとつだ。エイバル時代は得点を決め、ホセ・ルイス・メンディリバル監督が喜びのあまりでんぐり返しをしたこともあった。

「一番よかった試合っていうのはないけれど、ビジャレアルもバルセロナも、自分が得点を決めた試合は、ある程度いいプレーができている。満足いく試合ができていたんじゃないかな」

 なかなか「満足」という言葉を口にしない乾だが、リーガ100試合のなかでも記憶に残っている対戦相手である。

「150試合、200試合出場というのを目指してやっていきたい。できるところまで伸ばせるように。200試合には、あと3年、4年かかると思う。できるかどうかは自分次第です」

 最後に100試合の次の目標を聞いてみると、そんな答えが返ってきた。100試合出場は日本人初の偉業ではあるが、すでに乾は気持ちを切り替え、次の目標に目を向けていた。

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