乾貴士、リーガ通算99試合出場。古巣との対戦で「幸せな時間」を語る

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koich
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 想像とは違う光景だった。

 前節のレバンテ戦後、1週間後の古巣ベティスとの対戦について、乾貴士(アラベス)は、ベティスに来てからの半年、「自分は何も残すことはできなかったから100%ブーイングされる」と話していた。だが、現実は真逆ものだった。

 メンバー発表で名前が呼ばれると、ベティスの本拠地、ベニト・ビジャマリンのスタンドからは大きな拍手が送られた。試合中も、乾がボールを持つと、ブーイングではなく、愛するチーム、ベティスがやられるかもしれないと警戒しながら、そのプレーをしっかりと見届けようとしていた。

古巣ベティス戦に先発した乾貴士(アラベス)古巣ベティス戦に先発した乾貴士(アラベス) たしかにこの試合で、乾にボールが回る回数は少なく、チャンスらしいチャンスを作ることはできなかった。リーガ中位に位置する、欧州大会出場権を狙う直接のライバルとの対戦である。ただし、現在はアラベスのほうがベティスより上の順位にいても、この順位がチームの持つ力をそのままを表していないことを誰もがわかっていた(結果は1-1)。

 シーズン中、アラベスのすべての試合を追いかけるEITV記者のイニャキ・ミケオは、この日のアラベスのサッカーに手応えを感じていると話した。

「アラベスはホームとアウェーで戦い方がまったく違うチームだ。アウェーでは負けないことを前提にした戦い方をする。その点から言えば、ベティス戦の戦いはいつもどおりのものであり、勝ち点1を獲得できたことに満足している。これが経済的に厳しい地方クラブの戦い方だ」

 ミケオは、守護神フェルナンド・パチェコの好守を中心に守り抜いた戦いを高く評価した。この試合の乾については次のように語る。

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