岡崎慎司、戦友・香川真司を語る。
「並々ならぬ思いが絶対にある」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 苦楽を味わってきた仲間だからこそ、岡崎にも感じることがあったのかもしれない。香川がトルコのベシクタシュにレンタル移籍を決めると、岡崎は電話をかけたという。

「いろんな思いがあって、アイツも行っている。シンジのことなので、地に足をつけてやるはずです。アイツの場合は、並々ならぬ思いが絶対にあると思う。なので、(2ゴールを挙げた)デビュー戦だけでシンジの心境が変わるとは思わない。むしろ、周りがちょっとあおりすぎている感じがしますね(苦笑)。

 もちろん、すごいスタートになったと思います。だけど、シンジが最終的に目指しているのはトルコではないと思うし。アイツが(スペインへの移籍希望を)明言しているように、やっぱりもっと高いレベルで(やりたがっている)。(トルコ移籍は)そのためのきっかけだと思うので。そういう目で周りも見るべきじゃないかな」

 岡崎は言葉を続ける。

「一喜一憂していたら結局、同じことの繰り返しなので。メディアも『盛り上がるときは盛り上がって』ということになると思うけど、シンジはそういうのに流されない。上を見てやっていると思います」

 もちろん、そう語る岡崎も向上心の塊だ。今冬の移籍市場で、出場機会の少なさから移籍を試みたが、レスターが退団を認めなかった。かといって、シーズン前半戦と状況はさほど変わらず、今もベンチスタートが続いている。一方で、香川はデビュー戦で2ゴール。岡崎としても刺激を受けたところがあったようだ。

「シンジみたいに、2分で2点獲れたら最高ですけどね(笑)。ただ、そんな簡単じゃないのはわかっている。もちろん今、必死に結果を求めてやっている。でも、それだけではないので。結果だけを掴みにいけば、点を獲れるわけじゃない。ちょっとずつ自分の色を出しながら(やっていかないといけない)。監督に『コイツ勢いあるな』と感じさせるには、練習や試合しかない。プレーで証明するしかないです」

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