岡崎慎司、戦友・香川真司を語る。
「並々ならぬ思いが絶対にある」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 トルコの地でふたたび躍動し始めた香川真司――。遠く離れたイングランドで、そんな香川の動向を気に留めている者がいる。レスター・シティの岡崎慎司だ。

 ふたりは、日本代表の一員として2014年W杯ブラジル大会と、2018年W杯ロシア大会を戦い抜いた戦友だ。年は岡崎が3つ年上になるが、これまでのキャリアを振り返ると、ふたりの共通点は意外と多い。

香川真司のトルコデビューに岡崎慎司も刺激を受けたようだ香川真司のトルコデビューに岡崎慎司も刺激を受けたようだ 香川は、2010年7月にセレッソ大阪からドイツのドルトムントに籍を移した。ブンデスリーガで2シーズンを過ごした後、プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドに渡った。しかし、香川の獲得を決めたアレックス・ファーガソン監督が、わずか1シーズンで引退。ファーガソン退団の影響は小さくなく、ルイス・ファン・ハール監督が就任した2014年に古巣ドルトムントに舞い戻った。

 一方の岡崎は、2011年1月に清水エスパルスからドイツのシュツットガルトに移籍。同クラブで2シーズン半、マインツで2シーズンを過ごした後、2015年にプレミアリーグのレスターに移った。

 香川も岡崎も、Jリーグからドイツのブンデスリーガを経由し、世界最高峰といわれるプレミアリーグに籍を置いたわけだ。

 英国でふたりを取材する機会に恵まれた筆者が思うのは、非常に強い向上心がある点で、両者がよく似ているということだ。

 たとえば、香川のマンチェスター・Uも、岡崎のレスターも、在籍時にリーグ優勝を果たした。しかし、ふたりともリーグ制覇に一定のうれしさを見せながらも、自分の活躍によってタイトルを獲得したわけではないと「悔しさ」ものぞかせた。リーグ制覇はあくまでも通過点。その先にさらに突き進みたいと、そんな見解を示したことをよく覚えている。

 また、両者ともレベルの高いプレミアの壁にぶち当たった。香川も岡崎も監督の構想から外れ、プレミアリーグで出場機会を失った時期もあった。もっと言えば、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督に冷遇され、日本代表から離れたこともある。ブラジルW杯ではグループリーグで敗退し、悔しさをともにした。

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