CL4連覇へ前進。レアルにバランスをもたらした18歳ヴィニシウス (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 CL3連覇中。しかしながらシーズン当初、その4連覇が話題になることは少なかった。ジネディーヌ・ジダンに代わって監督の座に就いたフレン・ロペテギが結果を残せず、10月下旬に解任。レアル・マドリードは最悪のスタートを切った。

 後任に抜擢されたのはサンティアゴ・ソラーリ。元横浜マリノス監督、ホルヘ・ソラーリの甥であり、2000-01シーズンから5シーズン、黄金期のレアル・マドリードでプレーした元アルゼンチン代表選手である。しかし、レアル・マドリードBからの内部昇格で、他のクラブで采配を振った経験もないこの42歳の若手監督への期待値は、当初、けっして高くなかった。

 ところが次第に成績は上昇。先日のマドリードダービーでアトレティコ・マドリードにアウェーで勝利を収め、国内リーグでは2位まで順位を回復させていた。CLでは、国内リーグで首位を行くバルセロナよりむしろ有利に見えるほどだ。CL4連覇の可能性は日増しに高まりを見せている。

 一方、迎え撃つアヤックスは、グループステージで最も目を引くサッカーをしたチームである。すなわち、アヤックス対レアル・マドリードは、まさに好調同士の一戦だった。

 とはいえ、戦力で勝るのはレアル・マドリードだ。両チームは対等ではない。ピッチ上で好勝負が繰り広げられるということは、レアル・マドリードの苦戦を意味していた。

 昇り調子のレアル・マドリードを押し込むアヤックスはまさに痛快だった。細かなテクニックを武器にしたパスコースの多いサッカー。ひと言でいえばそうなるが、その「柔よく剛を制す」姿は、とりわけ日本人の目に眩しく映った。日本が目指すべきサッカーを、エリック・テン・ハーグ監督率いる現在のアヤックスに見るようだ。

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