シント・トロイデン6人目の刺客。190cmの木下康介とは何者だ? (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

「フライブルクではケガもあり、いろいろあってうまくいかなかった(その後、ドイツ4部のホンブルグでもプレー)。そこで、どこへ移籍しようかと考えた時に、日本という選択肢もあったんですが、ヨーロッパで結果を残してなかったので、こっちでチャンスがあるならと思っていました。

 今、清水エスパルスの監督をしているヤン・ヨンソンさんが、当時ハルムスタッズの監督だった。彼は広島、神戸でもプレーしていて、日本の関係者とのコネクションがあったので、そこから話がまとまりました」

 スウェーデンでは、どのようなプレーをしていたのか。

「いちおう、点は獲っていました。なおかつ、チャンスメークや守備でのハードワーク......結局、全部やらないといけなかったんですが、そのなかで点を獲ることができました。スウェーデンに行ったのは、結果を残せたという意味では正解でしたね」

 ただ、スウェーデンで活躍したとはいえ、ここまでの歩みは本人が思い描いていたものとは違っている。

「成長はしているけれど、結果がともなっていない。今の自分は、結果がこう(と言って、手を下げながら)落ちている。それを、V字回復のように上げていきたい。いいプレーをしているだけじゃダメ。ここで点を獲らないといけない」

 ブレイス監督は、木下の印象をこう語る。

「190cmという長身で、ハードワークができ、得点能力の高いストライカーだ。英語も上手に話す。まだチームに来て間もないが、社交性の高い若者なので、すでにチームに馴染んでいる」

 シント・トロイデンにとって6人目、ベルギーリーグ全体で見ると10人目の日本人選手――木下康介にも今後、注目したい。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る