岡崎慎司、移籍断念の胸中を明かす。「レスターで勝負する」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

「クラブのせいとか、そういうことではなくて、自分の(せい)。本当に(自分のことを)ほしかったら、もっといいオファーがくると思うので。僕自身が、その評価に値するレベルではなかったということです。

 個人的には、いいチャンレンジをしたと思っている。『来てほしい』と言ってくれるところもあった。こういう機会じゃないと、そういうこともわからないので。自分を必要としてくれるチームが、いくつかあった。それを自信にしながら、またここで結果を出すことだけを考えたい」

 岡崎によると、昨年12月の時点で獲得オファーが届いていたという。先述したように、岡崎の出番は極めて限定的であり、クロード・ピュエル監督の構想から外れている。それゆえ、心は一気に移籍へ傾いた。移籍への気持ちは膨らむ一方だったが、同時に、簡単には出ていけないという大きな壁にぶちあたった。もどかしい現実に、平常心を保てない時期もあったという。

「あらためて、自分は未熟だなと思いましたね。普段、こういうことには左右されないんですけど、もう12月の時点で『行きたい、行きたい』となってしまった。俺は行きたい。でも、話がうまくまとまらない。チームのことなどいろいろなことを考えて、(心が)乱れたこともあった」

 葛藤を抱えたことで、プレーにも影響が出たという。本人が反省の言葉を口にするのは、1月6日に行なわれたFAカップ3回戦のニューポート・カウンティ戦。岡崎は先発出場を果たしながらも、前半だけで交代を命じられ、チームも英4部クラブを相手に1-2で敗れた。

「カップ戦は、一番どうしようもないメンタルでやってしまった。個人的には、ちょっと休みがほしいなと考えていた。どちらかと言うと、(移籍先に)行って、そこでフィットするためのイメージをしていたし。

(移籍の)タイミングが遅れて、遅れてとなって、自分の心の中もけっこう乱れていた。監督にも初めて(移籍を直談判)しました。初めていろんなことをやって、だからこそ気持ちが焦ってしまったというか。もちろん、クラブと自分の思いがすれ違うのは当然だと思う」

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