豊川雄太が森保監督にアピール。「コパ・アメリカに出たい」 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 つまり、ふたケタゴールは、豊川にとって今季のノルマ。それをレギュラーシーズン30試合で達成することを目標としている。ロケレン戦を終えた時点でレギュラーシーズンは残り8試合だけに、固め取りする試合を作れば可能な数字だ。

 一方、守備の面では、明らかにひとりで相手のボールを追いに行くシーンが減っていた。

 どうやら、豊川はマケレレ監督から「追いすぎ」「走りすぎ」と言われたらしい。そのことは、私も昨年から気にかけていた。豊川がチームとの意図とは別にひとりでプレスをかけに行き、それがかわされてしまうと、オイペンは数的不利に陥ってしまう。また、守備のエネルギーをもっと攻撃で使ってほしいという思いもあった。

「自分ひとりが追うんじゃなくて、ミリセビッチが前に出て、俺が下がったりして。それで少し楽になりました」

 ミリセビッチとは、ゲントが2014-2015シーズンにリーグ優勝したときの中心選手、MFのダニエル・ミリセビッチのことだ。オイペンには中盤にミリセビッチ、ルイス・ガルシアという秀でたパサーがいるだけに、もっと彼らから豊川がパスを引き出せないものかと私は思うことがある。その懸念は1月27日のアンデルレヒト戦、豊川が前線で孤立する形で表れてしまった。

 アンデルレヒトは、今季クラブが揺らいで低迷しているとはいえ、やはりCBのカラ・ムボジとジェームズ・ローレンスはレベルが高く、強さ、速さ、しなやかさを誇っていた。前半に一度だけ豊川にチャンスが巡ってきたが、シュートを打つ直前にボールが高くバウンドしてしまい、空振りしてしまった。

 ビルドアップの型を持たないオイペンは、なかなかボールを前に運べず。たまに豊川に向けてパスを出しても、カラかローレンスを背負った状況でボールを収めることは難しかった。

 ストライカーとして先発した豊川は、1-2のビハインドを負った67分からトップ下に移り、79分でベンチに退いた。試合はそのままのスコアで進み、アンデルレヒトが勝利を収めた。

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