岡崎慎司が移籍希望。「もう出る時期かな。求めてくれるチームが一番」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 レスターとの契約は残り半年。レスターに在籍した3年半でやれることはやった。そうした強い自負があるからこそ、心は移籍ひとつで固まったようだ。

 とはいえ、獲得オファーを出したハダースフィールドは、プレミアリーグで厳しい戦いを強いられている。プレミアリーグ第22節終了時点で、順位は勝ち点11の最下位――。直近9試合で8敗1分の超低空飛行を続けており、残留圏17位のカーディフ・シティにも8ポイント差をつけられている。

 つまり、来シーズン降格の可能性が高いのだ。理想的な新天地というわけではないが、岡崎はそれでもハダースフィールドに飛び込みたいと話す。

「残留するという目的が決まっているチームなので、僕のこの崖っぷちの状況からしてみれば、全然いい。むしろ、自分のすべてを出したい。新しい目標が短期間でもあれば、やっぱり選手としてもそこに注げる。いいオファーだと思う」

 ハダースフィールドの最重要課題は、リーグワーストの13ゴールしか挙げていない得点力にある。FW陣がそろって不振で、1試合平均のゴール数は「0.59」点。これでは勝利につなげるのは難しく、前線のテコ入れが急務である。

 ただ、岡崎も約1年前のサウサンプトン戦を最後にゴールを奪っていない。では、なぜ岡崎なのか? それは、ハダースフィールドのプレースタイルと密接に関係している。

 ドイツ系アメリカ人のデイビッド・ワグナー監督は、2011〜2015年までドルトムントのリザーブチームを指揮した。そのワグナーをドルトムントに誘ったのが、現リバプール監督のユルゲン・クロップ。ふたりは師弟関係にあり、標榜するプレースタイルもプレッシングサッカーで一緒だ。

 プレミア昇格1年目の昨シーズンは、このプレッシングサッカーで「1部残留」を果たした。格上相手にも怯むことなく、前線から積極的にプレスをかけるサッカーは、英国内でも高く評価された。

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