ネイマールが世界最高の選手に
なるためには、根本的な改革が必要だ

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ネイマールの父が動くにあたっての法則はただひとつ、「ネイマール・ファースト」。ひたすらネイマールの味方をし、庇う。彼にとって正しいのは常にネイマールだ。ネイマールと何かするには、常にこの父親を通す必要がある。だが、何も知らない父親の行動は無茶苦茶で、逆にネイマールの評判を落としてしまうこともしばしばだ。ネイマールが変わるための第一歩は、まずこの父親の庇護のもとから独り立ちすることだろう。

 こうした状況にありながらも、ネイマールはこれまで370あまりのゴールを決めている。もう少しすればペレの持つ記録も超えるだろう。つまりネイマールの持つ能力とは、私たちが見ているよりも、もっともっと高いはずなのだ。彼が父親から離れ、プロの代理人やスタッフを持ち、子供じみた面を捨て、より真面目に、より責任を持つようになれば、今後世界最高の選手にもなることは可能だ。

 ただ、ネイマールが親や友達から離れるのはそう簡単なことではないだろう。彼もそれを望んでいないし、親や取り巻きたちもそれを望まない。そうなるとネイマールが今後サッカーの歴史に名を残すような選手になるのは、かなり難しくなる。

 ネイマールが何かを勝ち取りたいなら、自分のキャリアを見直す必要がある。レアル・レアル・マドリードに行きたいのであれば、もっと成長し、ピッチ内外の態度を改め、真のリーダにならなければいけない。もうそれほど時間はない。この1、2年が彼の本当の正念場となるだろう。

 2019年になってもネイマールの周辺は落ち着きそうにない。パリ・サンジェルマン(PSG)との間にもいろいろ問題が起こりそうだ。そんなネイマールに現在の気持ちを聞いた。

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