森保J初招集の武藤嘉紀。
残り3試合で転機は訪れるか

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 試合後、武藤も悔しさをにじませて語った。

「(試合前の練習で)先発メンバーに入ったり、試行錯誤しながらだったので、『先発あるかな』と思ったが、フタを開けてみれば、こうやって出られないので。最後の交代枠も使わなかった。自分としては悔しい」

 一方で、チームは無得点で終わっている。得点力不足はニューカッスルが抱えている継続課題で、FWの武藤としてはけっしてノーチャンスの状況ではない。しかも、プレミアリーグは中2、3日で試合が押し寄せる、年末年始の過密日程に突入した。どこかのタイミングで、武藤にも先発のチャンスがまわってくるだろう。

 ここを転機にできるか。今、置かれている状況は、武藤がプレミア初ゴールを挙げた10月のマンチェスター・ユナイテッド戦直前のそれに似ているという。あの時は、初得点がレギュラーの座を掴むキッカケになった。

「この連戦で試合に絡まないといけない。次のリバプール戦で、自分が出たら『点を決めるしかない』って気持ちでいる。そこで決めたら、評価もガラッと変わるので。

 ウップンを晴らすじゃないですけど、今はメラメラしている。マンチェスター・ユナイテッド戦の前も、10分とか途中出場が続いて、こういう気持ちでいたので。チームの状態も、思っているよりよくない。そういった時にサブで出てチャンスをモノにすれば、必ず序列は変わってくる。(次節の)リバプールは、結果を出すには最高の相手だと思います」

 試合の4日前、武藤はアジアカップを戦う日本代表に追加招集された。

 W杯ロシア大会では日本代表の一員として戦った武藤だが、森保一監督が就任して以降、過去3回の代表戦で招集を受けていない。それだけに、アジアカップで代表の力になりたい思いは強いようだ。

「チームの状況もあって、森保監督になってから最初の1、2回目はチームと話をして、代表に行けなかった。そして、3回目は招集前にケガをしてしまった。だから、今回が初めて。本当にやらないといけない。

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