2018.12.19

南米サッカーの神髄!スーペル・クラシコの魅力を達人たちが語り合う

  • photo by Nakashima Daisuke

中山 たしかに、ここ10年のリベルタドーレスカップ優勝チームを見ても、2年前のアトレティコ・ナシオナル以外は、すべてブラジルとアルゼンチンのクラブですよね。もちろんそれ以前もこの両国のクラブが圧倒的に強かったわけですが、1990年代以降はその傾向がより鮮明になってきたという印象があります。

倉敷 ボカとリーベルがかなり上まで勝ち上がることは早くから予想できたと思いますが、それにしても過去に一度もなかった両チームによるファイナルが決まったとき、アルゼンチンの人々はどんな反応を見せましたか。

 普段は「スーペル・クラシコ」と呼ばれているカードなわけですが、今回はそれを超えた「メガ・クラシコ」みたいな言われ方をしていました。それと、11月30日から2日間にわたってG20がブエノスアイレスで開催されることも決まっていましたので、世界各国の首脳が集まる前に何か大変なことが起こらなければいいという不安もありました。とくに上流階級の人たちは、この国の恥ずかしい部分をさらさないようにしてほしいという懸念を持っていたようですね。

倉敷 当初、決勝第1戦は11月10日に、第2戦は11月24日に行なわれる予定でしたが、豪雨により第1戦は翌11日に延期されて行なわれました。ボカのホーム、ボンボネーラ(エスタディオ・アルベルト・J・アルマンド)で行なわれたゲームは2-2でしたが、どんな感想を持たれましたか。

 実力的にはリーベルが上だったと思いますが、やはりホームであれだけのサポーターの後押しがあったのがボカにとっては大きかったですね。もちろん2-1で終えられれば、これ以上はないという最高の第1戦になったと思いますが。

倉敷 カルロス・イスキエルドのオウンゴールによって追いつかれたボカはその後も勝ち越し点を奪えず、最後はまるで負けたようなショックを受けていましたね。

小澤 これは亘さんに伺いたいのですが、なぜ現在の力関係ではリーベルがボカを上回っているのでしょう? ボカは若手主体のチーム構成になっているからでしょうか?

 監督の力量によるところが大きいのではないかと思います。ボカのバロスケロット監督はまだキャリアが浅く、かつてイタリアのパレルモで監督を務めることになった際、ライセンスを持っていないために正式に指揮を執れず、ライセンスを保持しているジョヴァンニ・テデスコの右腕としてベンチに座ったことがありました。結局、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)からライセンスを認められず、1カ月程度でアルゼンチンに戻ってきたという過去がある人物です。

 一方のガジャルド監督は、ヨーロッパで監督を務めたことはありませんが、2014年にリーベルの監督に就任してから毎年のようにタイトルを獲得していますし、現役時代にヨーロッパで長くプレーしていた経験もあって、すごく洗練されたサッカーを実践しています。