シント・トロイデン鎌田大地、代表への想い。「2回W杯に出たい」 (5ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

――昨季はフランクフルトで、長谷部誠選手と同じチームで過ごせたことも財産になったのではないでしょうか。

「ハセさん(長谷部)と一緒にいられたのは、すごくラッキーでした。彼からサッカーで何かを学ぶというよりも、自分がうまくいっていないなかで、やっぱり日本人が近くにいてくれたことに救われました。ハセさんへのリスペクトの気持ちは持っていますが、僕にとっては長く代表のキャプテンを務めた人格者というイメージではなく、普通に仲のいい"お兄さん選手"みたいな。フランクフルトのチームメートもみんな、ハセさんのことを"パパ"呼んでいますから。本当に怒らず、僕の話をなんでも聞いてくれました(笑)。

――サッカー選手として学んだことはないですか(笑)?

「ハセさんのすごいところは、ドイツという異国の地で、チームや監督から絶対の信頼を置かれていたってことですね。それは本当に驚きましたし、すぐに監督の求めていることを理解し、チームメートに伝えるわけですから。ただ、それは僕にはできないこと。僕ももちろん言葉の勉強はしますけど、いくらしゃべれるようになっても、そんなキャラじゃないですから。僕はあくまで自分のプレーを見せたいというか、ハセさんとは似ても似つかないから、真似なんか到底できないです(笑)」

 おとなしそうに見えるが、サッカーについて語り出すと想像以上に饒舌に自身の想いを口にしてくれた鎌田。スポーツ選手特有の"熱さ"は感じられず、淡々とピッチを駆け抜けゴールに向かう姿勢は、代表チームにもすんなり受け入れられそうな気配もする。

 急がば回れ。鎌田には2022年カタールW杯へ続く道筋が、ぼんやりとだが見えているのかもしれない。

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