鎌田大地は「得点王は狙っていない」。
でもベルギーで得点ランク3位

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

「サッカー面ではないです。正直、このチームに来た時に、『やれるな』と思いましたから。ゴールへの意識も、急に何かを変えたということはないです。鳥栖時代は、トップ下といっても戦術的には特殊で、サイドに流れる動きが多く、なかなか中央でゴール前に入っていくような形はなかったですし、それこそドイツに行ってからは、練習から得点はかなり意識していて、練習ではそれなりに点を取れていたんですけどね」

――ドイツでは何が難しくて、ベルギーでは何がよかったのでしょうか。

「昨季、フランクフルトで出た試合でインパクトを残せなかったのは事実ですが、だからといって、ドイツでまったく通用しなかったかといえば、全然そんな風には考えていません。ドイツはやはりフィジカルが強いですし、ボールを収める部分などは弱かったなとは思いますけど、ゴール前でボールを持てれば、いまと変わらないくらいできていたという感覚はありますから。

 ただひとつ言えば、フランクフルトではどうしてもサイドMFと見られていたので、ポジションの難しさがありました。たとえば今季、15点、もしくは20点を取って来年フランクフルトに戻っても、またサイドハーフで考えられたら絶対無理だと思いますし。ポジションの問題は結構大きいかなと思います。

 もちろん、昨季のフランクフルトは本当によかったですし、僕とかぶるポジションにはいい選手が揃っていて、単純に彼らとの比較で僕が負けたことは否めません。中盤なら、ケビン=プリンス・ボアテング(ガーナ代表)は、もう圧倒的でした。彼には100%勝てないと思いましたし、誰が監督だろうと、彼と僕を比べたら彼を使うと思います。それに前線ではクロアチアのアンテ・レビッチとかもいましたから。

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