鎌田大地は「得点王は狙っていない」。でもベルギーで得点ランク3位 (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

「リーグのレベルについて、どちらが上とか下というわけではないんですが、やっぱりスピード感やフィジカルの強さ、戦術面といったところはドイツの方が上だなとは感じます。もちろん、ベルギーにも個々に優れた選手がいるのは間違いないのですが......」

 今季の序盤、4分け1敗と出遅れたシント・トロイデンだが、移籍期限ギリギリの8月末にフランクフルトからのレンタルで鎌田が加入すると、時を同じくして勝ち星を重ね始めた。現在は5位とプレーオフ出場圏内(上位6チーム)をキープしている。これは2015年にクラブ史上5度目の1部昇格を果たして以降、13位、12位、10位と低迷してきたチームにとっては予想以上の結果ともいえる。その呼び水となったのが、まさに鎌田のゴールだった。

――手応えや充実感についてはどう感じていますか。

「僕が移籍してきた時は、チームとしてなかなか点が取れずに1勝もしていない状況だったので、チームの力になれていることは単純に選手としてうれしいです。昨季はフランクフルトでまったくチームに貢献することができなかったので、いまはピッチに立てているだけでもすごく幸せにも感じます。

 ただ、充実感があるかと言われると、僕はかなりの危機感を持ってここに来たわけで、10ゴールしたといっても、これを続けなきゃいけないですし、どちらかといえば、この流れが止まったらどうしようという考えの方が大きいですね。僕はドイツからベルギーに来て、ここで活躍できなかったら戻るところがないわけですから。気持ち的には活躍しているなんて考えてもいないですし、最低限の結果を出せてホッとしているような感じです」

――フランクフルトで思うようにプレーできず、シント・トロイデンに来てから何かを変えたということはありますか。

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