ペップの戦術分析。超逸材多数のマン・シティは司令塔が最後尾にいる

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi photo by Getty Images

 現在のシティは最終ラインに的確なパスを出せる選手が揃っているので、なるべく高い位置に多くのポイントを作り、そこに当てて一気にスピードアップするのだ。それがトップレベルの相手にもできるかは、また別の話だが、この日のシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムには、貫通力のあるポゼッションを展開する、恐ろしいほどにスピーディなイングランド王者の姿があった。ボールを保持するのはもちろんながら、無駄な横パスはほとんどなかった。

 週末のチェルシー戦に敗れ、今季初黒星を喫したシティだが、その傷は深くなかったようだ。「違うコンペティションだけど、確かに負けた直後に白星を得るのはとてもいいことだ」とグアルディオラは試合後の会見で指を鳴らして言った。

 多くの負傷者を抱えながら、生え抜きの新鋭がその穴を埋め、選手層の厚さとクオリティーの高さをあらためて示したシティ。グループリーグトップ通過を果たし、クラブの悲願である欧州の頂点にまたひとつ歩みを進めた。

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