CL16強決定。最激戦区を勝ち抜いたリバプールとサラーは頂点を狙える (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 リバプールの決勝ゴールは、まさにサラーの個人技で奪ったゴールだった。ナポリは再三のピンチも、徳俵に足を掛けながら二枚腰で残す力士のような粘りを発揮したが、このゴールだけは止められなかった。

 スコアは1-0。ナポリは惜敗でリバプールは辛勝だったが、リバプールにとっては、昨季の準優勝がフロックではなかったことを証明した一戦でもあった。サラーの先制点が決まったのは前半34分。評価したいのは、ホーム戦とはいえ、そこから守勢に回らなかったことだ。

 攻め続ければ、背後は危なくなる。同点ゴールを浴びればグループリーグ敗退という状況で、高い位置から積極的にプレスを掛けにいくのは勇気がいる。多くのチームは結果を欲しするあまり気弱になり、受けに回り、引いて構えがちだ。

 ホームであることが災いする場合もある。スタンドが満員に埋まれば、観客の反応はピッチにまで伝播する。スタンドが固まれば、選手の動きに悪い影響が及ぶ。1-0というスコアは、勝ち慣れていないチームほど危ういスコアになる。そこでリバプールはほぼ完璧なプレーを見せた。危うかったのは、先述のロスタイムのプレーを含め、わずか数回だった。

 同じ時刻にベオグラードで行なわれたレッドスター対PSG。この試合はエディンソン・カバーニとネイマールのゴールでPSGが2-0とリードした後、流れが変わった。ホームのレッドスターがスタンドの声援に奮い立ったこともあるが、PSGが守勢に回ったことも事実だった。

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