2018.12.05

アーセナル、宿敵を撃破。
停滞感を払拭したエメリ監督の改革

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 勝因のひとつは、勝利を強引に手繰り寄せたエメリ監督の采配にあった。試合翌日のロンドンの地元紙『イブニング・スタンダード』も「エメリの交代策が潮目を変えた」と、強気な采配がターニングポイントになったと指摘している。

 キックオフ時は、ピエール=エメリク・オーバメヤンの1トップに配した3-4-2-1でスタートした。積極的にプレスを仕掛け、前半10分で先制する。しかし、セットプレーから同点にされると、その4分後にPKで逆転ゴールを被弾。前半を1-2で折り返した。

 ここから、エメリ監督は大胆な策に打って出る。ハーフタイムで先発の2選手を引っ込め、代わりにMFアーロン・ラムジーと、軽傷を抱えてベンチスタートにまわったFWアレクサンドル・ラカゼットを投入。ラカゼットとオーバメヤンの2トップとし、ラムジーをトップ下に据えた3-4-1-2に変更して反撃体勢を強めた。

 すると、交代策から9分後にオーバメヤンが同点ゴールを奪取。しかし、それだけでは満足せず、エメリは勝利を奪おうとさらに動く。センターバックのスコドラン・ムスタフィとの交代でMFマテオ・ゲンドゥージを投入し、中盤ひし形の4-4-2に変更した。

 前傾姿勢をいっそう強めたアーセナルは、ここから2ゴールを加えて逆転に成功。マン・オブ・ザ・マッチに輝いたルーカス・トレイラが4点目を決めると、エメリ監督は思わずテクニカルエリアで飛び跳ねた。

 エメリ監督がこの試合で採用したフォーメーションは3つ。しかも、ハーフタイムに「2選手を交代する」という強気な采配を見せた。試合後、エメリ監督は交代策について胸を張って言う。

「試合前、私は複数の状況を想定していた。ラカゼットとラムジーを投入する策は、そのひとつだった。ラカゼットは得点意欲が非常に高く、(アーセナル在籍11季目の)ラムジーも、ノースロンドン・ダービーとビッグゲームで豊富な経験を有している。彼らを投入すれば90分間で追いつけると、そう踏んだ。それが、彼らを起用した理由だ」