ベルギー記者も大絶賛。遠藤航の「血と汗と涙」がハートを揺さぶる (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 以前、ブレイス監督が遠藤について、こう言ったことがある。

「私は遠藤のようなインテリジェンスある選手が大好きなんだ」

 10月23日付けの『ヘット・べラング・ファン・リンブルフ』紙も、このように遠藤を絶賛している。

「遠藤は先発とベンチを行ったり来たりしているが、すでに彼はチームに貢献している。デビューマッチとなったゲンクとのダービーでも、すばらしいゴールを決めた。だが、なんと言っても彼のよさは、STVVのDNAとマッチすることだ。彼は『血と汗と涙』をもたらしている」

 シント・トロインデンのモットーでもある「血と汗と涙」というのは、アムステルダムの歌手アンドレ・ハーゼスの有名なナンバーで、「一生懸命ハードワークして、うれしいことも、悲しいことも、選手とサポーターがともに分かち合う」という含意を持つ。遠藤のプレーやチームへの献身性に、地元記者も「血と汗と涙」を連想したのだろう。

 時計の針を、アントワープ戦に戻す。試合を終えた遠藤に、「チーム内の競争が激しいですね」と聞いた。すると、遠藤は「激しくなってきたと感じます」と。

「だから、僕がこうやって久しぶりに試合に出て、結果が出たというのはチームにとって大きいと思いますし、個人にとっても大きいと思います。また、監督も(次戦以降のメンバー選考で)いい意味で悩んでくれればいいと思う。与えられた時間でしっかりと自分らしいプレーをして、いい結果を残したい。仮に出られなくても、チームのために何ができるか考えてやっていけばいいと思います」

 そして最後に、「この半年は、すごく充実していた。試合に出られた時期もあれば、出られない時期もあった。しっかり、サッカーと向き合えたと思います」と語るのだった。

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