「リスペクトしすぎない」。大迫勇也、バイエルン戦で美しいゴール (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 試合は前半20分、昨年の夏までブレーメンにいたセルジュ・ニャブリが押し込んでバイエルンが先制する。だが、33分、左サイドのマックス・クルーゼからのピンポイントのクロスを大迫が頭で合わせた。大迫がマークを外す動きと、クロスのコース、強さがピタリとあった美しい得点だった。

「前に行くふりをして、後ろのスペースを取れたのが一番よかった。ボールの質がよかった」と、大迫はアシストのクルーゼを称えた。

 ただ、ドイツで物議をかもしているのは、この時のバイエルンのGKマヌエル・ノイアーのプレーだ。ノイアーはクロスに反応して前に出たが、大迫がヘディングするより先にボールに触ることができなかった。名手ノイアーにしては中途半端な出方で、大迫のヘディングシュートに反応することもできなかった。

 大迫のゴールで1-1としたブレーメンだが、後半になると息切れし、再びニャブリに勝ち越し点を決められ、結果は1-2に。ただ、コーフェルト監督は大迫を右に回し、ボランチのヌリ・シャヒンに代えてクラウディオ・ピサーロを投入するなど、攻撃的かつフレキシブルな姿勢を見せ続けた。

 ブレーメンはこれで4戦勝ちなし。序盤の貯金も徐々に目減りし、順位も8位に落としている。

「チームとして勝てなかったことが悔しいですね。頭の中をフレッシュな状態に戻せるように、いいトレーニングができるようにして臨みたいなと思います」

 試合に勝てていれば、もっと素直にゴールを喜べたはずだが、今の大迫は、チームを勝たせることを主眼に戦っている。そんな様子が潔くもあった。

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