3大リーグへの登竜門。昌子源がフランスで成功する条件を考えた (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 古くはローラン・ブラン、マルセル・デサイー、リリアン・テュラムといった1998年W杯優勝メンバーに始まり、最近で言えばローラン・コシールニー(アーセナル)やアディル・ラミ(マルセイユ)、現フランス代表のレギュラーに君臨するラファエル・ヴァラン(レアル・マドリード)やサミュエル・ユムティティ(バルセロナ)もその成功例だ。

 また、フランス人以外でも、リヨンでブレイクしたクロアチア代表のデヤン・ロヴレン(リバプール)や、メス(現在リーグ・ドゥ)で育ったセネガル代表のカリドゥ・クリバリ(ナポリ)など、アフリカ各国の代表として活躍するセンターバックは多い。

 彼らは皆、高い身体能力とテクニックに加え、フランスで高度な戦術の基礎を習得してビッグクラブへと羽ばたき、より高いレベルの選手へと飛躍を遂げた選手たちだ。そんなリーグ・アンの激戦区のポジションで日本人選手が成功したとなれば、これほど画期的なことはない。

 そのためには、まずリーグ・アンのサッカーに慣れ、対応力を身につけることが最重要課題となるだろう。スピードとパワーがケタ違いのアタッカーが多いリーグ・アンにおいて、まずはデュエルで負けないことがディフェンダーの最優先事項として考えられており、それを身につけられなければレギュラーの座は遠のいてしまうからだ。

 たとえば、マルセイユで確固たる地位を確立した酒井にしても、加入当初はその洗礼を浴びている。デビュー2戦目のギャンガン戦で、対峙したマルクス・ココに驚異的な突破を許して失点の原因となったわけだが、酒井はそれを教訓に、相手との間合いを変えるなどしてリーグ・アンのディフェンダーとしての対応力を身につけた。

 それ以外にも、当たり負けをしないためのフィジカルをレベルアップさせること、身体の使い方や身のこなしを習得すること、そしてセンターバックだけにフランス語でのコミュニケーション力を身につけることも必要となるだろう。

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