岡崎慎司と吉田麻也。世界最高峰プレミアで戦い続ける日本人の矜持 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 これで吉田は、公式戦3試合連続となる先発フル出場を果たした。一時はベンチ暮らしが続いたが、ようやく風向きが変わりつつある。

 ただ、リーグカップの3日前には、国内リーグのフラム戦を2-3で落としていた。その試合で吉田は、フラムの決勝点の場面でマーカーに競り負け、失点に絡んでいた。

 それだけに、日本代表DFも「とりあえずチャンスが来ているので、(このレスター戦で)生かさないといけないと思っていました。前回のフラム戦は、代表帰りでパフォーマンスを出せなかったので、印象として非常によくないと思っていた。ここでパフォーマンス上げて巻き返したかったので、0点に抑えられたのはよかった。続けていきます」と力を込めた。

 一方の岡崎も、リーグカップの3日前に行なわれたブライトン戦で国内リーグ初先発を果たした。

 岡崎は「今は試合することが楽しい。徐々に出場時間も増えているので、そういうところでいいモチベーションをずっと維持できている」と話す。W杯ロシア大会で痛めた足首についても、「ケガをする前の状況に戻ってきている。今は練習でもガツガツいけている」と、復調をアピールした。

 その岡崎の囲み取材のなかでもっとも熱を帯びたのが、「日本人対決」について記者団から質問が飛んだときだった。岡崎は「日本人対決は、あまり気にしてはいないんです」と返すと、「ただ」と断ってから、次のように言葉をつないだ。

「プレミアリーグに日本人がいることには価値があると思う。『試合に出てなかったら意味がない』という意見はあると思います。でも、『プレミアリーグまで来ることができた』との自負というか、そういう誇りは日本人としてある。

 もちろん、プレミアに来ている選手が優越感に浸っているわけではありません。ただ、そのなかで試合に出たり出なかったりして、ともに苦労している。だから、こうして一緒に試合に出ることはうれしい。まあ僕は今、元日本代表なんで(苦笑)。日本代表でやってる麻也と試合ができた。自分もまたそこに呼んでもらえるように、プレミアでいっぱいプレーしたいなと思っています」

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