クラブW杯に出る南米王者が決まらない...バス襲撃でメガクラシコ延期 (3ページ目)

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by Reuters/AFLO

 準決勝の第1戦はともにブエノスアイレスで行なわれ、ボカは2-0で勝ち、リーベルは0-1で敗れた。ボカはアウェーの第2戦でも先制し、2-2の引き分けで決勝進出を決めた。

 一方、ホームで取りこぼしたリーベルは、第2戦での勝利は絶対条件。だが、この試合は、マルセロ・ガジャルド監督が出場停止処分という不利な状況にあった。グレミオに先制を許し前半を0-1で終えると、ガジャルド監督は禁止されていたにもかかわらずロッカールームを訪れて選手を鼓舞。それが功を奏したか、後半2ゴールを挙げ2-1で逆転勝ち。2試合トータル2-2となり、アウェーゴールの数により勝ち上がった。

 しかし、これに納得できないのはグレミオだ。選手との接触が禁止されていたのにそれを破ったのだから、後半の2得点は無効で「勝者は我々だ」と南米サッカー連盟に提訴した。結局これは認められなかったが、ガジャルド監督には4試合の出場停止処分が新たに科せられ、決勝戦の指揮を執ることはできなくなった。

 決勝第1戦は合計4ゴールに加え、数多くのシュートチャンス、GKのファインセーブがある、メガクラシコにふさわしい見ごたえのある一戦だった。

 アルゼンチンはメガクラシコにより、分裂したような状況になっている。なにしろ国民のほとんどが多かれ少なかれサッカーに興味を持っており、その約7割がボカ派とリーベル派で占められるのだ。大会スポンサーのサンタンデール銀行は、過度の熱狂や敵対心を鎮めるため、ひとりがボカファンで、もうひとりがリーベルファンという双子の少年をテレビCMに起用。彼らがそれぞれのユニホームを着て仲良く遊んでいるシーンを流し、沈静化を呼び掛けていた。

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