武藤嘉紀の同僚・ベネズエラ代表FWがコパ・アメリカに出る日本に助言 (2ページ目)

  • 井川洋一●取材・文text by Igawa Yoichi photo by Getty Images

 この日、プレミアリーグのクラブに所属する選手はロンドンと吉田だけだったが、そのふたりがマッチアップ。吉田のマークに手こずっていたようにも見えたが、実際はどうだったのだろうか。

「僕と彼は同じプレミアリーグでプレーしているから、もちろん意識はしていたよ。当たりにも空中戦にも強い、タフなセンターバックだ。今日はなかなか自由にプレーさせてもらえなかった。簡単な試合にならないとは思っていたけど、本当にそうだったね。

 吉田は常に冷静だから、自分の動きが読まれているように感じた。ただ、今日のようなフレンドリーマッチでも、フットボールでもっとも重要なのはチームだ。自分はストライカーなのに得点できなくて残念だったけど、チームが同点で終えられたのでよかった。いずれにせよ、代表の試合は常にハイレベルになる。僕らも、もっとレベルを上げていかなければならない」

 日本の当面の目標は来年1月のアジアカップになるが、ベネズエラのそれは来夏のコパ・アメリカだ。10代から代表に名を連ねてきたロンドンは、南米王者を決めるそのコンペティションに3度出場。初めて参加した2011年のアルゼンチン大会では、同代表のメジャートーナメント最高成績となる4位入賞に貢献している。

 来年のブラジル大会には日本も招待されている。出場すれば、間違いなく貴重な経験を得られるはずだ。

「コパ・アメリカはものすごく厳しい大会だ。ブラジルやアルゼンチンを筆頭に、相手はどこも強豪ばかり。トーナメントは短期間に行なわれるけど、勝ち上がっていくには、大会のなかでも成長する必要がある。そして訪れたチャンスは確実につかまなければならない。基本的なことを徹底し、ディテールにもこだわる。(ベネズエラも日本も)その積み重ねが成功につながる」

 最後にクラブについて。地元紙によると、ニューカッスルのラファエル・ベニテス監督は、大柄でパワフルなロンドンとスピードを武器とする武藤のコンビが最適だと考えているようだが、コンディションの問題もあり、ふたりが揃い踏みする機会はほとんどなかった。

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