大統領まで参戦。リベルタドーレス杯の「スーペルクラシコ」が激熱だ (2ページ目)

  • セルヒオ・レビンスキー●取材・文 text by Sergio Levinsky 井川洋一●翻訳・構成 translation by Igawa Yoichi

 ところが、ベンチ入りを禁止されていたリーベルのガジャルド監督は5バックを選択。レアル・マドリード行きが噂される20歳のエセキエル・パラシオスとロシアW杯にも出場したエンソ・ペレスが中盤の底を任され、ベテランFWルーカス・プラットも下がり目の位置取りに。戦術家として評価を高めている元代表MFは、今季ほとんど使っていないシステムを用いて、失点しないことを優先したかに見えた。

 だが、その思惑は前半に崩れる。意外にも主導権を握りながら、2度の決定機をボカの若きGKアグスティン・ロッシのファインセーブに阻まれると、34分に先制を許す。ボカのラモン・アビラが一度はGKに阻まれながらも、二度目のシュートを沈めると、ボンボネーラは割れんばかりの狂騒に包まれる。アビラはベンチへ駆け出し、先発を外れたカルロス・テベスと力のかぎりに抱き合った。

ボカのサポーターで満員になったボンボネーラ photo by Getty Imagesボカのサポーターで満員になったボンボネーラ photo by Getty Images 再開直後に、リーベルも同点に追いつく。ゴンサロ・マルティネスがセンターサークルから放ったスルーパスにプラットが抜け出し、ボックスの右から右足でネットを揺らした。意地とプライドのぶつかり合うスーペルクラシコならではの展開と言えよう。

 前半ロスタイムには、ホームであるボカのサポーターの熱狂が再び弾ける。中央の遠目の位置からセバスティアン・ビジャが精確なFKを入れると、ボックス内でダリオ・ベネデットが頭で絶妙なフリック。ベテランGKフランコ・アルマーニが伸ばした両手も届かなかった。

 後半16分には、今度はアウェーのリーベルが似たような遠目のFKから同点に追いつく。しかし、ルーカス・マルティネスのフィードを頭で決めたのは、ボカのDFカルロス・イスキエルドだった。とはいえ、プラットのマークに付いていた30歳のCBのオウンゴールは、責められないものだった。

 ホームで勝利を目指すボカはその12分後、ついに34歳のテベスを投入。スタジアムの歓声のボリュームはさらに大きくなり、ピッチ上では背番号23をまとった生けるレジェンドが持ち前の創造性を発揮する。90分にはバックヒールのワンツーで抜け出し、ドリブルでボックス内まで運んで右にパス。フリーのベネデットは決めねばならない絶好機を迎えたものの、リーベルの守護神アルマーニにセーブされてしまった。結局、ボンボネーラでの熱戦は2-2で終了した。

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