異能の人・小林祐希が語る「サッカー、農業、美容サロン、麻雀」 (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao

 よく、『引退後のことを考えていまから準備しているの?』なんて聞かれますが、やっていることはすべて、今やりたいことです。もちろん、オレだって一生現役でいられるわけじゃないし、そのあとの人生の方が長いので、少しでも多くの人や物事に接し、人としての幅を広げたいという思いもありました。

 オレのことが嫌いな人は『サッカー選手なんだからサッカーだけやってろよ!』と言うかもしれませんが、サッカー以外のことをやっているからといって、別にサッカーに集中していないわけではないんです。むしろ、オレは人と話したりすることがまったくストレスにならないし、むしろいいリフレッシュになっています。オランダに来てからは、ひとりでサッカーのことばかりを考えることが多かったのですが、それだと頭も疲れちゃうじゃないですか」

――オフには実際に農家に足を運び、田んぼにも入ると聞いたときは、ちょっと驚きました。小林祐希と田んぼは、ちょっと結びつかなかったです(笑)。

「田んぼに行きますし、トラクターにも乗りますからね。もちろん、オレだってまさか自分が農家と関わるとは思ってもなかったですよ。でも、実際に農家に行ってみると、学ぶことも多いんです。

 オレって、根本的に男として魅力のない人の話は聞くことができないんです。サッカーの監督でも、なかには勝てない理由を選手のせいにしたり、言動がコロコロ変わる人もいますけど(笑)、それに対して、こだわりのある農家さんたちは、みんな1本筋が通っているというか、人としても尊敬できるので、話もすっと入ってくるんです。

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