CLで元気がいいイタリア勢。セリエA復権の希望をナポリに見た (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by AP/AFLO

 そしてC組だ。昨季のファイナリストで、優勝したレアル・マドリードと途中までいい戦いをしたリバプール。同じくレアル・マドリードに決勝トーナメント1回戦で惜敗したPSGがいる。この組は当初、似た境遇にある両チームのマッチレースかに見えた。ナポリと両チームとの間には、チーム力に少し差があるのではないかと思われていた。

 セリエAでは2010年代に入り上位に君臨するようになったナポリだが、CLにおける最高位はベスト16(2011-12シーズンと2016-17シーズン)。好チームのイメージはあったが、リバプール、PSGと互角に戦う力強さはないように見えた。

 ところが、ナポリのC組における現在の順位は首位タイだ。リバプール(勝ち点6)、ナポリ(6)、PSG(5)、レッドスター・ベオグラード(4)。C組は勝ち点2差の間に4チームがひしめく大接戦が展開されている。

 11月6日。レッドスターにアウェーでまさかの敗退を喫したのはリバプールで、受けて立ったときの脆さを露呈した。リバプールの問題は、立ち位置にある。挑戦者としてのリバプールは強い。魅力的に映る。だが、強者に祭り上げられると、サッカーは攻撃的でも気分は守備的になり、そのギャップで居心地悪そうにプレーすることになる。

 CLで実績のないナポリに、そうした心配は不要だ。無欲。チャレンジャーの立場を貫くことができる。

 PSGと対戦した11月6日のホーム戦では、前半終了間際、フアン・ベルナトに先制弾を許したが、慌てなかった。後半、チームは逆にまとまり、立て続けにチャンスを作った。1点リードしたことで、受けて立つことになったPSGとは対照的な姿を描いた。

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