「ビジョンが違いすぎた」。吉田麻也が語る王者マンCの強さの秘密 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 チームも、直近2試合でクリーンシートが続いていたので(アピールしたくても)どうにもならない。『カップ戦で(アピール)』と思っていたけど、試合が延期になった。自分ではどうにもならない範疇なので、あまりそこは考えずに自分ができることに集中して、チャンスを待つしかないです」

 そのうえで、あえて吉田に聞いてみた。昨季王者マンチェスター・Cの強さの秘密はどこにあるのかと――。日本代表DFが指摘したのは、4−3−3で編成したマンチェスター・CのインサイドMF、ポルトガル代表のベルナルド・シウバと、スペイン代表のダビド・シルバのふたりだ。

 この試合でサウサンプトンは、3人のボランチを配した4−5−1で臨んだ。3ボランチで中盤中央部をがっちり固め、マンチェスター・Cの攻撃を操るインサイドMFの動きを抑えようとした。

 ところが、ベルナルド・シウバとダビド・シルバは、一枚も二枚も上手(うわて)だった。サウサンプトンの狙いがわかると、両者ともワイドエリアに流れて、サウサンプトンが網を敷く中盤中央部から離れていったのだ。

 マンチェスター・C左右両サイドには、4−3−3の「両翼」と「サイドバック」が陣取る。そのため、インサイドMFがワイドエリアに流れてくれば、合計3人がサイドに入ることになる。まず、このサイドで数的優位を作った。

 対するサウサンプトンとしては、3ボランチの内のふたりが、このインサイドMFを捕まえようと、それぞれついていく。すると、中盤中央部が手薄になり、今度はセンターにもスペースが生まれてしまった。吉田は「本当にいやらしいなと思いましたね」と語り、次のように説明を続けた。

「サウサンプトンとしては中盤中央を厚くして、中盤でのボールを消そうとしていた。そうしたら、見事にシティのインサイドMFのふたりが外に張って、サイドで数的優位を作られた。

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