今季絶不調のレアル・マドリーの問題点は、クラシコの内容に表れている

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中山 開幕直後は2人とも調子が良かったんです。でも、その後に一気に下降線をたどっている印象を受けます。とくにフィニッシュのところですね。ベンゼマはこの試合でも決めなければいけないシーンが2つくらいあったと思いますが、そういう大事なところでシュートがなかなか決まりません。

 近年はロナウドのゴールのお膳立て役というイメージが定着していますけど、彼はもともとストライカーなんですよね。リヨン時代からゴールを決める才能がものすごく高い選手だったんですが、ここ数年はシビアなフィニッシャーの役目をロナウドに任せてしまったことで、本当に決めなければいけないシーンで、ゴールハンターとしての能力が錆びついてしまったのではないでしょうか。錆びを落としてピカピカに磨き上げるまでには、かなり時間がかかるような気がします。

小澤 彼ら2人はロナウドが移籍したことでチーム内の序列が高くなったことにより、少し気が緩んでいるところがあると思います。そこは、僕はロペテギのマネジメントの失敗だと思っていて、彼らがこのチームの顔としてきちんとゴールを決めて結果を出さなければいけない選手であるにもかかわらず、彼らのお尻を叩けなかったロペテギの問題もあったのではないでしょうか。

 この試合のパフォーマンスを見ても、本当だったらこの2人を戦犯に挙げて批判すべきレベルだったと思いますし、実際に彼らは高い給料をもらっているクラックなので、監督もそういうアプローチをすべきだったと思います。また、フロレンティーノ・ペレス会長がロナウド放出を既定路線と考え、自分が好んで獲得したベイルをチームの顔にしたいという願望を長年抱いてきたのだとしたら、会長としてもベイルに対して「もっとしっかりしなさい」と言うくらいでないといけないと思います。

 ただ、ベイルが得しているのは、いまだにスペイン語を満足に話せないので、メディア対応をまったくせず、スペインのメディアも彼からコメントがとれないので叩けないという事情もあります。ミックスゾーンに出てくることすらないですし、まずはクラブや広報の責任ですが、彼がメディアの前に出たくないから逃げている部分はあるんじゃないかと見ています。

倉敷 なるほど。しゃべらなければ叩かれないということですね。参考にさせていただきます(笑)。それでは、次回は得点シーンのところからレビューしたいと思います。

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