カップ戦先発の香川真司が苦境を語る。「ここで負けたら自分は終わる」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 もちろん、香川もそれを自覚している。だが、40分の先制点のシーン以外はなかなか得点に絡む場面を作れず、周囲のテンポ感ともかみ合っておらず、気合いが結果に結びついたとは言えない試合になった。結局、2-1でリードしていた78分に交代している。

 香川の自己評価は厳しい。

「久しぶりの試合でしたし、このタイミング(格下と対戦するドイツ杯)ぐらいしかチャンスはないと思っていたので。勝つことはもちろんですけど、僕自身も結果がほしかったです。(先制点直前のヘディングシュートは)惜しいだけじゃ意味がないし、それは重々感じている。点を獲ったヤツが結果として残るわけで、チャンスを作っただけではあまりイメージとして残らない」

 これまでリーグ戦では先発1試合、途中出場1試合にすぎない。なかなか試合に出られないなかで、いきなり先発する難しさもある。

「なかなかメンバーに絡んでないので......。試合に出て(感触を)つかんでいくものではあると思う。非常に難しい現状で、それは自分も把握しているし、日々、練習で前向きにやろう、と。(これだけ試合に出ないことは)なかなかないですし、立場も現状として非常に下のほう。そういう立場もなかなか経験のないなかで、今はやっている。でも、ここで負けたら自分自身は終わりなので、この環境で打ち勝つためにやるしかない」

 チャンスは少ないが、何かしらのアピールをして、少しずつ立場を改善していかなくてはならない。そのことは香川もわかっている。ただ今季のチームについては、苦笑いしつつも、その好調ぶりを認めざるを得なかった。

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