ニューカッスルいまだ未勝利。
武藤嘉紀「FWとして0点は責任がある」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 そんな武藤のプレーをタッチライン際で見つめていたのが、サウサンプトンの吉田麻也だった。この試合でベンチスタートを命じられた吉田に出番はなく、残念ながら日本人対決は実現しなかった。吉田も「歯がゆさしかない」となかなか出番を掴めないことに唇を噛んでいたが、武藤のプレーを次のように見ていたという。

「かなり相手の嫌なところを突いていたと思います。うちの2センターバックがアジリティのところで、けっこうヨッチ(武藤)に先にボールを触られて、苦戦していたと思うので。悪くなかったと思う。

 ただ、ヨッチの動きをもう少しチームメイトが見てくれていたらいいなとは思いますね。(セントラルMFの)シェルビーも、そういう繊細なプレーよりもダイナミックなサイドチェンジとかが得意で。(パスワークに長ける)キ・ソンヨンとかが入って、もうちょっと関係がよくなれば可能性があるんじゃないかと思いますけど。でも、動き出しも悪くないし、身体もキレている。いい状態ではあると思います」

 とはいえ、ニューカッスルの厳しい状況に変わりはない。

 4連敗こそ免れたが、チームは依然として未勝利が続く。とくに、0-1で敗れた前節のブライトン戦に続き、攻撃陣は2試合連続の無得点に終わった。今回のサウサンプトン戦は、チームの枠内シュート数が0本。先述したように「中盤の構成力不足」と「連動性の欠如」が最大の問題点だが、ストライカーの武藤にかかる責任は小さくない。

 次節は11月3日にホームで行なわれるワトフォード戦。果たして、武藤とニューカッスルはこの試合を転機にできるだろうか。

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