ニューカッスルいまだ未勝利。武藤嘉紀「FWとして0点は責任がある」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 しかも、この試合の2トップは、179cmのアジョセ・ペレスと178cmの武藤のふたり。長身の相手センターバックに、ことごとくロングパスは跳ね返された。「僕としては、もうちょっと(チームとして)つないでほしかった。僕が全部、裏へ抜けるという形になって。つなげばいいところを全部、裏に蹴ってしまっていた」と、武藤も問題点を口にしていた。

 そんななか、武藤なりに工夫も見せた。たとえば、最前線から中盤まで降下し、味方のパスを簡単に叩いて、前線にもう一度飛び出していくプレー。日本代表FWは動きの意図を次のように説明する。

「裏を狙う動きばかりじゃなく、中盤に下りたときに足もとにつけてもらう。前の試合では、相手がいるにもかかわらず、無理やりパスを通そうとするから、ふたりがかりで潰されてしまった。ああいう場所でパスをもらうより、スペースを見つけてシンプルにプレーし、またゴール前に入っていく。そういうのが生きてくるし、それが自分に求められているタスクだと思う」

 それでも、単調な攻撃を劇的に変えるには至らなかった。むしろ、ニューカッスルが抱えている問題は、もっと根深いところにある。チームの課題は「中盤の構成力不足」と「連動性の欠如」。チーム全体の問題であり、武藤ひとりで解決できる課題ではない。

 それゆえ、前線に効果的なパスを供給できず、最後まで武藤を含む2トップを有効活用できなかった。結局、日本代表FWは80分に途中交代――。悔しそうな表情でピッチを後にした。

「足をつったんですけど、それでもいけていた。終わった後もみんなに『なんでお前が交代したんだ?』と言われたので、みんなも自分を必要としてくれていたと感じました。でも、やっぱり悔しいですよね。ラスト10分、自分の得意なところだったし、最後決め切ることができたら、ヒーローになるチャンスだったので。FWとして0点で、チームとしても勝てなかったのは責任があります」

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