失われたモウリーニョのカリスマ性。
CLで明暗が分かれるプレミア勢

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 ジョゼ・モウリーニョがその監督の座に就いたのは2016-17シーズンだが、状態は悪くなるばかり。そのカリスマ性はすっかり低下している。レアル・マドリードの監督を辞め、安住の地を求めて古巣のチェルシーに戻ったもののあえなく解任。そして欧州のトップチームではなくなったマンU監督の座さえ、危うくなっている。飛ぶ鳥を落とす勢いだったかつても、今や昔だ。

 大袈裟に言えば、「勝つことがすべての監督」だ。哲学はない。「いいサッカーをしても勝たなければどうしようもない」と言い切るようなサッカーをしていた監督が、勝てなくなると、そこには何も残らなくなる。

 そしていま、その状態に陥りつつある。現在55歳。第一線から退く年齢でもない。マンUの今後も心配だが、モウリーニョの今後も心配だ。

 現在、かつてのマンUのような華々しさを感じるのはリバプールだ。昨季はあれよあれよという間に決勝に進出。キエフで行なわれたレアル・マドリードとの一戦では、モハメド・サラーをケガで失う不運に見舞われ1-3で敗れたが、その勢いは今季も失われていない。

 パリ・サンジェルマン(PSG)、ナポリ、レッドスター・ベオグラードと戦うグループCは最大の激戦区と言われたが、そこで現在まで2勝1敗。ホームでPSGに打ち勝ち、ナポリにアウェーで惜敗。ズベズダにホームで大勝し、僅差ながらナポリ、PSGを抑え、首位に立っている。

 PSGとのホーム戦は、まさに撃ち合いの好ゲームだった。そこで打ち勝ったことで、チームは自信を深めている様子だ。前の3人(サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ)は相変わらず好調で、パンチ力という点でもPSGの3人(ネイマール、エディンソン・カバーニ、キリアン・ムバッペ)に少しも見劣りしなかった。

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