イタリア代表、再生への長い道のり。
「昔々、点の獲れるCFがいた」

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 昔々、イタリアには、ゴールするためだけに生まれたようなセンターフォワードが必ずいた。パオロ・ロッシ、サルバトーレ・スキラッチ、フィリッポ・インザーギ......。

 おりしもポーランド戦のテレビ中継の解説者はロッシだった。彼がスーツに身を包んでスタジオにいるのを見て、多くのイタリア人はノスタルジーとともに、歯がゆさを感じたはずだ。もしロッシがピッチにいたならば、優勢だった試合で、終了間際にしかゴールを決められないなどという事態には絶対にならなかったはずだ、と。

 しかし、そんな文句を言っていても仕方ない。とにかく新生アッズーリはやっと新たな一歩を踏み出すことができた。リスタートをする用意はどうにか整った。あとはゴールを決められる、天性のゴールゲッターの登場を祈るしかない。

 イタリアがかつてのイタリアに戻るまでには、あともう少しの辛抱が必要だ。

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