イタリア代表、再生への長い道のり。「昔々、点の獲れるCFがいた」 (3ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 中盤はマルコ・ベラッティ(パリ・サンジェルマン)、ジョルジーニョ(チェルシー)、それからニコロ・バレッラ。カリアリ所属、21歳の期待の若手だ。運動量も豊富だし、テクニックも、闘志も、根性もあるが、ただプレーが荒いのが玉にキズ。どの試合でも少なくとも一度は警告され、イエローカードが彼のトレードマークになってしまいそうだ。

 オフェンスはフェデリコ・ベルナルデスキ(ユベントス)、フェデリコ・キエーザ(フィオレンティーナ)、ロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)からなる"軽めの3トップ"だが、これについては論議が持ち上がっている。ベルナルデスキとキエーザは生まれついてのサイドアタッカー(右だが左でもプレー可)だし、インシーニェもマウリツィオ・サッリ(現チェルシー監督)のナポリでは左サイドだった。つまり、マンチーニは空中戦に強く、フィジカルに優れた典型的センターフォワードを置くことをやめたのだ。

 このことは長短の両面がある。いい点は3人のうちの誰をマークしたらいいか相手のDFがわからないこと、悪い面は誰も飛び出していかないことだ。

 今回のポーランド戦で、イタリアは終始試合を支配し、ここ数年ご無沙汰していたようないいプレーを見せた。しかし、ゴールチャンスを何度も逃していたのも事実だ。最後の最後にサイドバックのビラーギが飛び込まなければ、勝利を持ち帰ることもできなかった。

 得点力を欠くFWは、アッズーリの最大の課題だ。サッカーというゲームはゴールしてなんぼ。チャンスをつくることも大事だが、それをゴールに結びつけなくてはなんの意味もない。マンチーニは早急にこの点に手を打つ必要があるのだが、簡単なことではないだろう。とにかく彼には選択肢がないのだ。チーロ・インモービレ(ラツィオ)、アンドレア・ベロッティ(トリノ)、ケビン・ラザーニャ(ウディネーゼ)......はっきり言って、あまり期待できないだろう。

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