ユベントス悲願のCL優勝へ「最後のワンピース」はロナウドの加入 (2ページ目)

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中山 昨シーズンからの変化という点では、ユベントスの最大の変化は何と言ってもロナウドが加入したことに尽きると思います。これは今シーズンの傾向でもありますが、優勝候補と言われているチームが意外と昨シーズンからの変化が少ないなか、ユベントスはもっとも変化したチームで、最終ラインにレオナルド・ボヌッチが復帰し、サイドバックにジョアン・カンセロが加わったことも変化のうちのひとつになっています。戦力的には確実にアップしたと言っていいでしょう。

 システムもここまでは4-3-3をメインに使っていますが、パウロ・ディバラの調子が上がってきたことで4-3-1-2や3‐4-1-2なども併用するようになっていますし、戦術のバリエーションは優勝候補のチームでもっとも豊富なのではないでしょうか。そのなかでカギとなっているのが、あまり守備をしないロナウドのカバーを引き受けている中盤のブレーズ・マテュイディの存在です。ここまでを見る限り、マテュイディ以外にその役割を担える選手はいないのではないかと思うくらいの適任者だと思います。

今季のユベントスの基本布陣今季のユベントスの基本布陣倉敷 僕もそのことが一番気になっていました。アッレグリ監督はどうやってロナウドにかなりの自由を与えるのか? マテュイディこそ回答なのだと思いました。

 第1節のバレンシア戦はフルタイムのボールポゼッションが50%対50%でした。ユベントスはロナウドが前半29分に退場してそれ以降は10人で戦っていたことを考えると、チームとして、個人として、さまざまな状況に対応する能力がずば抜けていることがわかります。

小澤 戦術理解度の高い選手が本当に多いですし、ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニのビルドアップの配給の質ひとつをとって見ても、とてもレベルが高いです。このセンターバックコンビを見ていると、ゴール前を固めるだけではなく、攻撃センスも抜群にあるということをあらためて感じます。4バックで臨んだバレンシア戦ではボヌッチ、キエッリーニのCBから相手守備ラインを超えるフィードが何度も出ていました。それと、さきほど触れたマテュイディについても同感で、開幕前の心配事だったロナウドの守備面のカバーという問題についても、すでにこのチームは解決しているな、と見ています。

倉敷 中山さん、ロシアW杯の話になってしまいますが、フランス代表はマテュイディ、エンゴロ・カンテ、ポール・ポグバの3人を組み合わせた上での使い分けが非常にうまかったですね。

中山 あの3人がいると5人分の仕事ができますからね(笑)。ディディエ・デシャン監督もそこをうまく有効活用していたと思いますし、キリアン・ムバッペを右ウイングに固定してカウンターに専念させたのも、あの中盤の3人がいたからこそだったと思います。とくにポグバからムバッペへのパス供給がひとつのパターンになっていました。

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