ロナウドが抜けたレアル・マドリーが不調...最大の不安材料は何か (5ページ目)

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小澤 なりますね。タイプが異なるクロースではマドリーのピボーテは務まりませんし、それはロシアW杯のドイツを見ていてもそうでしたから。そこは、確かにカゼミーロありきだと思います。

中山 セルヒオ・ラモスとの関係性という部分から見ても、カゼミーロの代役はいませんよね。ジダンがいなくなったからなのかどうかは分からないですけど、とくに今シーズンのセルヒオ・ラモスはこれまで以上に「俺が、俺が」というプレーが目立っていて、攻撃参加がハンパない(笑)。

小澤 点を取りたい、PKも俺が蹴る、フリーキックも蹴る、という積極ぶりで試合展開によってはかなり攻撃参加します(笑)。

中山 そうなんです。ラ・リーガのアトレティック・ビルバオ戦(第4節)の時は、相手の守備戦術もあってそれが奏功した部分はありましたけど、その試合の後のエスパニョール戦(第5節)でもセルヒオ・ラモスは同じように積極的に攻撃参加していました。もしカゼミーロがいない時、そこが穴にならないかという心配はあります。

倉敷 小澤さん、そのアトレティック・ビルバオ戦はマドリーがとても苦しんだゲームでしたね。

小澤 そうですね。アトレティックはもともとインテンシティの高いチームでしたが、今季からエドゥアルド・ベリッソ監督が敵陣でのハイプレス時にはマンツーマンに近い守備戦術を採用しているので、とくに前半のマドリーはビルドアップの局面でかなり苦しんでいました。

倉敷 ベリッソは、セルタを率いてマドリーに勝ったことのある監督です。中盤からマンツーマン気味にハイプレスをかけるやり方は、エネルギーと技術さえあればマドリー相手にも効果的ですね。

小澤 そうですね。まさにこの試合はアンカーにカゼミーロではなくクロースが起用され、相手が前がかりにプレスに来ていても足下にパスを付けてショートパスで前進を図ろうとしていました。イスコはベンチスタートでしたが、前線にイスコやアセンシオが出場している時は、彼らが頻繁に中央に入ってプレーするところをサイドバックにつかまえられてしまい、そうなると彼らにパスを出せないので、戦況も厳しくなります。

倉敷 それでもマドリーが強いのは、引き出しの多さがあるからです。たとえば、逆襲の超高速カウンター。カウンターアタックは同じスピードで攻め上がれる選手の数が多ければ多いほど有利ですが、マドリーはスピードもあり、タイミングを見極められるセンスのいい選手ばかりです。

 ベイルはちょっと別格ですけど、かなりの速度でエリア内に入ってこられるシュートのうまい選手が多いことに加え、長短のカウンターを自在に使い分けられる点がどんな相手にも勝てるマドリーの強さの源でしょう。

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