2018.10.05

乾貴士が日本代表よりもベティスでの
定位置争いに集中すべき理由

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 本人はそのようなことは絶対に口にしないが、筆者は個人的に、これでよかったのではないかと思っている。パナマ、ウルグアイと対戦する日本代表から、乾貴士(ベティス)が外れたことだ。

 その報を聞いたとき、真っ先に頭に浮かんだのは、以前セビージャに在籍していた清武弘嗣(現セレッソ大阪)のことだった。同じ街のクラブであることや、クラブ1年目のシーズンであることなど、2人には共通点が多い。

 2016年秋、日本代表に合流するまで、清武はセビージャの主力だった。開幕戦のエスパニョール戦では1得点1アシストの活躍を見せ、スペインのサッカーファンからも高い評価を得ていた。

 だが、日本代表合流後に待っていたのは、主役の座を元フランス代表サミル・ナスリ(現在無所属)に奪われ、ベンチを温めてグラウンドで他の選手のプレーを見守る境遇だった。もしあのとき清武がセビージャに残り、当時のホルヘ・サンパオリ監督の戦術理解を深め、チームメイトのことをさらに知るようになっていたら、また違う道が開けたのではないかと、今でも思うことがある。

ヨーロッパリーグ、ドゥドランジュ戦に出場、勝利に貢献した乾貴士(ベティス) 現在、乾は選手層の厚いベティスで、厳しい定位置確保の戦いを続けている。エイバルにいた昨季まで以上に選手のイマジネーションやコンビネーションが重宝され、”サッカー頭”を働かせる必要があるキケ・セティエン監督のサッカーでは、得点に直接関わるプレーが要求されている。