香川真司抜きでモナコに完勝。ドルトムントの「超速路線」が結実 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 両チームともシュートを6本ずつ放った前半、どちらかといえば優勢だったのはモナコだ。3バックのモナコは守備に回ると5バックになり、ドルトムントにスペースを与えなかった。一方、攻めては中盤のアレクサンドル・ゴロビンからの配球でチャンスを作り出す。ドルトムントは受け身になり、ひたすら耐えるしかなかった。だが、試合を通して「我慢することが勝敗のカギとなった」とファブレ監督以下、ドルトムントの選手たちは口々に言った。

バルセロナから移籍、すっかりドルトムントの1トップに定着したパコ・アルカセルバルセロナから移籍、すっかりドルトムントの1トップに定着したパコ・アルカセル 後半になると、ファブレ監督はまず4-2-3-1の2列目の右に入っていたマリウス・ヴォルフに代えて、ヤコブ・ブルン・ラーセンを投入した。前線からプレッシャーの労を惜しまないヴォルフに対して、一瞬のスピードでゴール前に侵入するタイプのブルン・ラーセンの投入は、指揮官からの「攻めに出るぞ」という合図でもある。

 先週末のレバークーゼン戦と同様、この交代がぴたりとはまる。51分、そのブルン・ラーセンが、ジェイドン・サンチョのスルーパスに抜け出し先制点をあげた。

 1-0になってからは、ドルトムントが攻守にわたりリズムにのってプレーするようになる。後半のモナコのチャンスは、ゴロビンのクロスにラダメル・ファルカオが頭で合わせようとした64分のものくらい。これもDFダン・アクセル・ザガドゥが身体をはって阻止した。

 ドルトムントは68分にマルコ・ロイスが倒されてPKを獲得。だが、パコ・アルカセルの強いキックはクロスバーを叩いた。それでも、72分には、そのパコ・アルカセルがスルーパスを受けるとディフェンダーとキーパーをかわしてから追加点を挙げる。さらに、試合終了間際には、ロイスがブルン・ラーセンのクロスを決めて3-0とした。CLグループリーグの序盤2連勝。しかも無失点で終えたことは、この先のことを考えると非常に大きい。

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