岡崎慎司から武藤嘉紀への助言。「いろいろできるところを見せろ」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 試合終了のホイッスルが鳴ると、ニューカッスル・ユナイテッドの武藤嘉紀は思わず両ひざに手をついて、うなだれた。

 ニューカッスルは9月29日に行なわれたレスター・シティ戦を0-2で落とし、またしても白星を飾れなかった。この結果、プレミアリーグ第7節を終えて5敗2分。続く未勝利に、試合後の本拠地セント・ジェームズ・パークには巨大なブーイングが鳴り響いた。

武藤嘉紀は試合後に岡崎慎司から助言をもらったという武藤嘉紀は試合後に岡崎慎司から助言をもらったという そして、武藤の状況も前節から変わらなかった。この試合でもリーグ初先発は叶わず、ベンチから出番の声がかかったのは後半24分。追いかける展開でピッチに送り込まれたが、ゴールでチームを救うことはできなかった。

 一方、対戦相手としてニューカッスルに乗り込んできたレスターの岡崎慎司も、ベンチ入りしたものの、最後まで出番が訪れなかった。タッチライン際でウォームアップを続けていたが、チームが2点のリードを奪った後はアップを止め、ベンチで試合終了のホイッスルを聞いた。「日本人ダービー」として注目を集めた一戦だったが、残念ながら実現しなかった。

 そんなふたりは試合後、ピッチで抱擁を交わし、それぞれ選手通路口へと消えていった。

 ニューカッスル加入後から武藤が心がけているのが、DFラインの裏に飛び出す動きを徹底していくこと。サロモン・ロンドンやホセルといった長身FWが最前線に陣取ることから、セカンドストライカーの位置に入る武藤は裏のスペースに抜けるフリーランで、前線に違いを生み出そうとしている。本人も「監督も求めていると思います。とにかくやり続ける」と力を込める。

 実際、レスター戦でも縦へ抜ける動きを見せた。後半30分には左サイドをドリブルで抜けてクロスボールを上げるも、追いかけてきたマーカーにブロックされた。

 そんな武藤のプレーをタッチライン際で見ていた岡崎は、あることに気がついたという。試合後、武藤は岡崎から助言をもらったと明かす。ポイントは「プレーの幅」と「緩急のつけ方」だ。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る