ネイマールも関係。18歳佐々木大樹がパルメイラスに移籍した裏事情 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 一方、ネイマールはパルメイラスのゼネラルマネージャー、アレシャンドレ・マットスともとても仲がいい。たとえば、サントスのスターだったルーカス・リマが、中国ではなくパルメイラスに移籍したのは、ネイマールがこのマットスに口をきいたからだと言われている。

 ヴィッセルとパルメイラスを結び付けたかったモラレスとカルモがネイマールに話をし、ネイマールがパルメイラスのマットスに佐々木のことを話した。今回の移籍はすべてこの"ネイマールコネクション"がお膳立てしたものだ。

 佐々木にすると、多少利用された感もあるかもしれない。だが、若いうちにブラジルの名門で経験を積むのは、彼にとっても決して悪い話ではない。それに数多くの若手のなかから選ばれたのは、彼がいい選手である証拠だ。

 ここ数週間はパルメイラスのユースチームで練習をしているが、プロらしいセンスとモチベーションの高さ、テクニック、そしてなによりオープンなメンタリティーを見せている。あまり時間がかからずに、ブラジルサッカーに慣れることができるだろう。

 18歳の佐々木を見て、人々がまず気に入ったのは、その身長だ。181cmで、多くのパルメイラスの選手よりも長身だ。佐々木はまず、パルメイラスのユース部門"カテゴリアス・デ・バーセ"でプレーする。ここには年齢別にU-12からU-23までのチームがあり、パルメイラスが非常に力を入れている重要な部門だ。ここで多くの優秀なコーチから教えを受け、トップチームに通用する選手に仕立てあげられるはずだ。

 パルメイラスの会長、マウリシオ・ガリオッテは佐々木のことを「彼はサッカーというものがよくわかっている中盤だ」と評している。

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