マンC戦で初の出番なし。それでも武藤嘉紀は「逆境をはね返す」と誓う (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 武藤は、チーム内に迷いがあると明かす。

「2部の相手にも、ああいう戦い方をしてしまう。自分ともうひとりのFWが(プレスに)行っても、後ろがついてこない。強い相手との連戦で用いた引いた戦い方が、染みついちゃっている。だから、チーム内でも『どうすればいいのか?』みたいな空気がある。これで結果が出ていればいいんですけど、出ていないから、チームに不安が蔓延していると思う」

 それでも、武藤は焦ることなくアピールを続けていくと力を込めた。

「ここで『出られない、出られない』と焦ってしまうと、本当にハマっていってしまう。とにかく、ワンチャンスをモノにすることが重要だと思います。自分のコンディションも上げていかなければいけない。

 自分としては、強い相手との試合で点が獲りたかったので。ただ、アーセナル戦で自分がいきなりスタメンで出られるかといえば、難しいと思う。でも、とにかく前を向いて。出たときに、少ない時間でもアピールしてないと、スタメンのポジションは確保できない」

 9月に行なわれる日本代表の強化試合では招集が見送られた。海外組の主力は招集されなかったが、その件について森保一監督から連絡を受け、「しっかり(自分を外した)意図は伝えてもらえました」(武藤)という。国際マッチウィークは英国に残って、チーム練習のなかからアピールしていくことになる。

「ここでアピールして、悪い状況のチームを自分が救えたらベスト。チームは勝てていない。それは逆に言ったらチャンスですし。出番が来たときに、いいプレーができたらそれがベストかなと。

 出ていない身としては、このチャンスをモノにしなくてはいけない。こういう悪いときこそ、成長できるチャンス。そのために、わざわざイギリスに国を変えて、環境も変えたので。この逆境をはねのけたい」

 次節は9月15日に行なわれるホームでのアーセナル戦。武藤はアピールに成功し、この状況を打破することができるか。

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