乾貴士、ダービー勝利に大興奮。初体験に「熱さのレベルが違う!」 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi Photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 この試合に先発フル出場し、股抜きからシュートを放つなど、徐々にアンダルシアのチームに適応しているところを見せた乾貴士は、試合後のミックスゾーンで、人々のダービーへかける大きな思いを語らずにはいられなかった。

「ダービーのレベルがちょっと違いましたね。これだけ盛り上がるというか、ファンがこれだけ命を賭けているというようなダービーっていうのは、なかなかない。まあちょっと、日本人の自分からしたら考えられないぐらいの熱さがあった」

 乾はボールには触っていないものの、ゴールにも絡んだ。80分、左サイドから右サイドへ展開されたボールは乾のもとに出されるが、乾はこれをスルー。スルーされたボールを受け取ったアイサ・マンディ。マンディが中央へ折り返すと、ホアキンが頭であわせてネットを揺らした。

 ベティスのアイドルであり、レジェンドが決めた一発に、スタジアムは歓喜を爆発させ、誰もが席の上で飛び跳ねた。まるで地震のような縦揺れが生まれるが、地震の恐怖を知らないセビージャの人々は誰もが飛び続けた。

「一番取ってもらいたい人(ホアキン)に得点を取ってもらえて。たぶん、スタジアム全体もそうですし、ベティスファン全員がすごく喜んだと思います」

 ホアキンが決めて勝ったことが大きいと、初めて経験したセビージャダービーを振り返る乾。試合終了後は、まるで優勝したかのように勝利を祝ったベティスだが、試合前のロッカールームでは、キャプテンであるホアキンが輪を作り、チームにこんな激を入れていたという。

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